インフルエンザワクチンの接種を10/17より開始します。予約制としておりますので、ご希望の方はご相談ください。当院では、原則3歳以上の方への接種を行っております。(3歳未満の方に関しては要相談とさせていただいております。)接種量に関しては下記のとおりです。
①3歳以上13歳未満の小児・児童は0.5mlを、皮下に一回または、およそ1~4週間の間隔をおいて2回注射する
②13歳以上の方は0.5mlを1回注射する
(6ヵ月以上3歳未満の方は1回0.25mL 2回接種となります。)
13歳以上の方に関しては1回の接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとされており、原則1回接種となります。13歳未満の場合は、2回接種の方が抗体価が上昇すると報告されており、2回接種が推奨されております。
当院での接種料金は下記のようになっています。
①3歳以上:3,600円/2回目2,600円
②65歳以上:1,600円(市町村の補助があります)
(3歳未満:2,600円/2回目2,100円)
今年は新型コロナ感染症との同時流行も予想されておりますので、お早目に接種をお考え下さい。
かぜ症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方、さらには①新型コロナウイルス感染症と診断された方と接触した、②流行地域に渡航または居住していた方と2週間以内に接触した。
以上の方は、新型コロナウイルス感染の可能性が疑われますので、直接受診はせず、以下の対応をお願いいたします。
平日午後5時まで
各地区の保健センター帰国者・接触者相談窓口
西区 西保健センター
082-294-6235
082-241-4566(夜間・休日)
※当院では検体検査はおこなっておりませんので、希望される方は上記へお問い合わせください。
風邪症状のある方は、必ずマスクを付けて御来院ください。発熱、咳のある方は必ず事前に電話でご相談ください。
色んな臓器のがんを発見する方法は、腫瘍マーカーや画像検査(超音波検査、CT検査、内視鏡検査等)などがあげられますが、必ずしもそれらがすべて早期発見できるわけではありません。
最近では、アミノインデックス(がんリスクスクリーニング以下AICS)という、がんを早期発見できる可能性のある検査が普及し始めました。これは「がんになると、早期の段階からアミノ酸濃度のバランスが変化する」という特徴を活かし、血液中アミノ酸濃度を測定することで、「健康人」と「がんである人」のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析して、現在がんである可能性を評価する検査です。
このAICSの特徴としては、5mlの採血のみで一度に複数のがんの可能性を同時に評価できます。早期発見が難しく難治がんをいわれる膵臓がんをはじめとして、胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどが対象となります。
当院でも、このAICS検査を広島市医師会臨床検査センターに委託し行っております。費用は保険適応外であり、全額負担で3万円となっております。(結果報告は約2週間かかります)
なお、この検査は予約検査となっており、また多少の注意点も必要ですので、あらかじめ当院に受診していただくことになります。ご興味のある方はぜひ一度ご相談いただければと思います。
「帯状疱疹」という病気をご存知でしょうか。中高年の方が「ヘルペスが出た」と言われるのを聞いたことがあるかも知れませんが、多くの場合はこの帯状疱疹Herpes zosterを指します。(その他に単純性疱疹Herpes simplexという疾患もありますが、原因ウイルスが違い別物です。)
症状としては水膨れを伴う赤い発疹が顔面や躯幹の左右に帯状に出現します。さらに「チクチク、ビリビリ、ズキズキ」などの強い痛み(神経痛)を伴うことがあり、発疹が治っても、この痛みが長い間続くこともあります。これは幼児期に罹った水痘(水疱瘡)が治った後に、その原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に数十年も潜伏し、体の免疫力が低下しやすくなる中高年になると再活性化し発症します。(免疫力は、加齢やストレス、過労、重度な感染症などで低下します。)
帯状疱疹は、80歳になるまでに約3人に1人がかかるといわれており決して珍しい病気ではありません。では、なぜ帯状疱疹が問題になるのでしょう。先ほども述べましたが、発疹が消失した後も長い間痛みが継続することがあり、3カ月以上持続するものを「帯状疱疹後神経痛」といいます。こうした状態になると厄介で、ひどい方は日常生活に支障が出る場合もあり、治療に難渋することもあります。
また、帯状疱疹に罹った後で脳卒中(脳出血、脳梗塞)になるリスクが高まるという海外での報告もあり、帯状疱疹にかかるリスクを減らすことが重要だといえます。
現在では、子供の水痘(水疱瘡)予防に使用されていた水痘ワクチンが帯状疱疹の予防に使用できるようになり、当院でも予防接種を開始しております。費用は保険適用外のため全額自己負担となりますが(当院では8,000円)、興味のある方はぜひご相談ください。
皆さま、ピロリ菌についてはどれくらいご存知でしょうか?
テレビなどでも取り上げられるようになって久しいですが、ご自身は調べられたことはありますか?
それに、なぜ今ピロリ菌ピロリ菌と騒がれているのでしょうか。症状がなければそっとしておいてもいいのではないでしょうか?
ここでは、あらためてピロリ菌についてお話してみたいと思います。
1.由来は?
そもそもピロリ菌とは何でしょうか。正式にはHelicobacter.pylori(ヘリコバクター・ピロリ)といいます。語源はらせんを意味するhelico、細菌をあらわすbacter、そしてpyloriは胃の出口付近の幽門部pylorusに由来しています。つまり胃の出口付近に生息するらせん状の細菌のことを言っているのです。
皆さまご存知のように胃は食物の消化を行うため胃酸という消化液を分泌しています。そのため以前は胃の中にはいかなる微生物も存在しないと考えられていました。
しかし、1982年オーストラリアのウォーレン、マーシャル両博士により胃に生息する細菌を発見され、これが現在までにさまざまなな疾患に結びついていることが分かってきています。
2.感染率・感染経路は?
日本人の約50%がピロリ菌に感染していると言われており、若年層になるにつれ感染率は下がる傾向にあります。これは、感染経路に関係していると思われます。
今でこそ我が国では上下水道が整備されており衛生環境も整っていますが、一昔前は井戸水を飲み、トイレもくみ上げ式…といった地域も少なくありませんでした。こういった中で井戸水や、あるいは手などに付着したピロリ菌が免疫機能の完成していない幼少期までに直接口に入ることで感染したのではないかと考えられています。またご両親からの経口感染なども疑われています(溺愛されていた証拠でしょうか…)。
また、もし大人の方で感染した場合は、一過性の急性胃炎を呈することはありますが、ほとんどは治癒してしまうようです。
3.感染してしまうとどうなる?
ピロリ菌に感染すると、胃の出口付近から徐々に胃全体に生息域を広げて増殖していきます。その際胃の粘膜が赤く腫れあがり、やがて最終的には菲薄な(薄っぺらい)粘膜へと変性していきます。この過程が萎縮性胃炎と呼ばれるものです。これが何十年も続いていると、50~60歳頃に胃がんになるリスクが高まります。ざっくり言うと感染者の10人に1人程度が胃がんになると言われています。
ではピロリ菌に感染していない方はどうでしょうか。実は特殊な例を除いて、胃がんにはまずなりません。現時点でピロリ菌に感染なしと言われた方は胃がんの心配をする必要はほとんどないので万々歳です。
4.治療は?
それでは、現在ピロリ菌に感染している方はどうすればいいでしょうか。実はピロリ菌の治療を行うことで胃がんになる確率を3~4割程度まで下げることができるのです。また胃炎が進行していない胃ほど効果は高いと考えられています。そのため感染が早く分かれば、治療をすることでそれだけ胃がんの予防になりやすいといえます。
現在ピロリ菌の治療は1週間の内服で治療することが可能で、成功率も80~90%と以前に比べてかなり高くなっています。また、もし1回目の治療に失敗しても2回目の治療でほぼ除菌可能といわれています(費用は3割負担の方で3,000円前後です)。
当院でも当然ピロリ菌の治療を行っております。どうも胃の調子が悪いな、慢性胃炎といわれたことがある、胃潰瘍になったことがある…という方は、ぜひピロリ菌の感染をチェックして、治療を考えてみてはどうでしょうか。ご相談お待ちしています。
本年4月から胃内視鏡(胃カメラ)による胃がん検診が始まりました。従来は、胃がん検診はバリウムによるレントゲン検査診断のみでした。当院も以前から胃内視鏡検査は行っていましたので、今回から胃がん検診を開始します。
なお、胃内視鏡による胃がん検診では、二人の内視鏡専門医によるダブルチェックでの診断が義務付けられています。
当院では、内視鏡専門医かつ消化器専門医である副院長の小林隆彦と、原対協(公益財団法人広島原爆対策障害対策協議会)在籍の当該専門医にお願いしてダブルチェック体制で診断を行います。
当院では、検査は予約制にしていて、内視鏡検査人数には制限がありますので、あらかじめ電話等でご確認をお願いいたします。
以前から、任意接種で全額負担だった肺炎球菌ワクチンが、広島市では平成24年10月1日から75歳以上の方には3,000円の助成が出るようになりました(平成25年3月31日まで)。
当院では75歳以上の方に自己負担3,000円(助成金含む)で開始しています。
日本人の死因は、平成23年の統計で①ガン②心疾患、に次いで③肺炎となっています。以前までは3位には脳血管疾患が挙げられておりましたが、それに変わり51年ぶりの交代となっております。
肺炎の原因菌として最も頻度が高いのが肺炎球菌です。肺炎球菌は毒性が強く、体力や免疫力の低下したお年寄りが感染すると重症肺炎を引き起こすことがあります。
お年寄りがインフルエンザに感染した場合はこうした肺炎球菌が死因となることが多いと考えられています。
そこで65歳以上の方や慢性疾患ある方(やはり肺炎が重症化しやすい)には、肺炎球菌ワクチン予防接種が勧められます。
このワクチン接種によって肺炎球菌による肺炎を約80%予防できると考えられています。
予防効果は5年以上続くとされていましたが、経年的に効果が低下するために、平成21年10月以降は初回接種から5年以上経過した方には再接種が勧められています。
なお、75歳未満の方には全額自己負担となっています。接種は予約制ですので、ワクチン接種希望の方は、まず当院に相談なさってください。
スギ花粉症は、国民の十数%とされていますが、実はスギ花粉症の患者さまの80%はヒノキ(科)アレルギーを併発しているとの報告があります。
スギの花粉は(場所によって異なりますが)1月下旬から飛散が始まり、4月中旬には終了となるはずですが、ヒノキ花粉は3月頃から飛散し始め5月頃まで続きます。スギ花粉症の人が4~5月頃になってもまだ花粉症の症状が治まらないのはヒノキ花粉症を併発している可能性があります。
スギもヒノキも、前年の7~8月の期間に花芽の分化があり、気温の高い日(30度くらい)が1週間程度続くとたくさん花芽が作られます。
スギ花粉は前年の11月頃までに既に形成されていますが、ヒノキ花粉は3月になって暖かい日が続くと形成され、そのためスギとヒノキの花粉の飛散時期にズレが生じるのです。
またスギとヒノキは共通の抗原性を持っているため両方に抗体を作りやすく、両方の花粉症になりやすいと考えられます。